伴小「極寒の安全作戦60日」
=通学陸橋の改修工事で 危険な県道を横断=
教師、警備員、保護者が体を張って子ども達を誘導(伴小下の県道) |
地域が連携し、子ども達を守り抜く
改修のため通行禁止になっていた、伴小、中学校の正門に通じる横断陸橋(安佐南区伴中央1丁目)の工事が終了し、13日朝から、登校する児童生徒が渡れるようになりました。子ども達は真新しい階段を一歩一歩踏みしめながら、気持ちよさそうに学校に急いでいました。
この横断陸橋は伴小下の県道に架かっていて、小中学生を合わせて約200人が朝夕登下校に使っています。階段がひどく老朽化し、危険になったため、この1月10日から(有)木下組が請け負って歩行部分を改修する工事を続けていました。
「青」の時間はわずか15秒。急がないと・・・ |
町内会、PTA、警備員、教職員で「誘導隊」
工事の間、陸橋の通行は禁止。子ども達は陸橋下にある点滅式信号のついた横断歩道を渡らなめればならなくなりました。
車と子ども達との平面での交差。最初は教職員だけで誘導する予定でした。
しかし、この県道は狭いうえに大型トラックやダンプカーなどが走り、制限速度の40㌔を遥に超えるスピードで走る車が多く、「子ども達が事故に巻き込まれかねない」と地元で不安が強まっている道路。このため、町内会やPTA、交通安全推進隊、それに木下組の社員が加わって「誘導隊」を編制。登下校時に交代で出て、安全に登下校できるように見守り、誘導を始めました。
特に朝は午前7時半ごろから、10人余りが分散。子ども達が県道を安全に渡り、正門に入るように交通整理と誘導を続けてきたのです。
登校班が横断歩道に着くと、すぐに木下組の警備員がボタンを押して「青」信号に変わるのを待つ。約1分半で歩行者用信号が「青」に。すぐに教師や警備員が上下の車道に出て、車を止める。「さぁー渡って」と子ども達を横断させる。わずか15秒で「赤」に。緊張してか、早足で子ども達は横断歩道を渡る。渡り終わった子ども達に保護者が「おはようございます」とこえをかけて、正門の方に案内する。
工事は10日午前中に終わりました。13日の朝の登校から、工事前の「陸橋を渡って学校に行く」という通常の形に戻りました。
この間、1月中には何度も積雪に見舞われるなど、寒い毎日が続きました。そんな中で教職員と地域の人たち、請負業者が結束して誘導に当たり続けました。まさに「60日間の極寒の誘導作戦」でした。
市内で2番目のマンモス校
伴小学校は現在、約1,170人の、広島市内でも宇品小に次いで2番目に児童数が多い、マンモス校です。新年度には更に増えて2,000人近くになる見込みです。これに中学校を含めると、1,800人以上、教職員を入れると、約2,000人以上が陸橋付近と南門の2カ所に集中して登校。これに送りの車、教職員の通勤の車が入り込んできます。
2カ所の学校への進入路が狭いうえに、児童の登校班の列の側を車が次々に校内に向かっていく、非常に危険な状態の毎日が続いています。
約600人がバス16台で通学
写真中央奥のバスが若葉台からの通学バス。 横から後ろへ通勤マイカーが数珠つなぎに |
また、バス通学が全児童の半分以上の約600人に上っています。主には若葉台団地からの児童。14台のバスに分乗して陸橋近くの停留所に降りてきます。これに徒歩通学の小中学生、さらに子どもを送り迎えする保護者のマイカー、教職員の車が混じり合っての登校風景が日常になっていて、「異常な事態」が続いていると言えます。
今回の「誘導作戦」の背景にはこのような伴小学校の特異な背景があり、地域が教職員の助っ人として動いたのです。あらためて伴小学校の登下校の問題点が浮き彫りになった60日であったように感じています。
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