〖環境〗
椎原川、奥畑川が泡で覆われた
舗装材工場から薬剤が流出
10月2日朝、広島市安佐南区伴中央地区の奥畑川とその上流の椎原川に白い泡が大量に流れる騒ぎがありました。特に椎原川は水面が泡で覆われて、まるで“泡の川”でした。
①上の写真は流出元から約1キロ下流の奥畑川。椎原川との合流地点から少し下った県道沿いで、泡は川幅全体に広がっています。これで周辺の住民がびっくりしたのです。
②その次の写真はそこからさらに数百メートル上流の椎原川。細い川全体が白い水で覆われています。
③3枚目の写真は三城田橋の上の関の下の様子です。泡が大きく膨らんで溜まっています。
いずれも10月2日の午前8時半から9時前にかけての様子です。椎原川、奥畑川ともに稲作などの潅漑用水として使われている、地域にとって大切な川です。
「もしも危険な薬剤だったら大変」とすぐに奥畑川沿いに住む民生委員の程兼実さんと三城田町内会前副会長の藤井良治さんに「泡の出所の調査」をお願いしました。「泡の川」の源を求めて上流へ遡った結果、広島舗材株式会社(田中雅人社長)というアスファルトの再生工場から市道の側溝に流れ出ているのを確認。2人はすぐに工場内に入って、代表者に「この工場から川に泡が流れ出ている」と指摘し、すぐに泡の回収と流出防止を求めました。
この工場は昨秋まで「日本鋪道」(現・NIPPO)というアスファルトの製造会社でした。昨年10月1日付けで日本鋪道100%出資の「広島舗材」に変更になったと言うことです。
流出したのは「付着防止剤」
工場のホッパーにアスファルトが付着しないように付着防止剤を入れて洗浄する工程の中で、付着防止剤を貯蔵するタンク(容量1000リットル)のバブルからこの防止剤が漏れ出したという。9月28日ごろ、市道沿いにある分離槽周辺で泡だっているのに気付いた。メーカーに調査依頼していたが、2日未明からの雨で分離槽(写真右上)に貯まっていた防止剤が工場横の市道の側溝(写真右下)に流出した―と説明しています。
タンクには200リットル残っており、約800リットルがタンク外に出たと同工場では話しています。タンクの配管のつなぎ目に破損が見つかり、この破損部分から漏れ出た防止剤が分離槽などを経由して、川に流れ出たとみられています。
市環境保全課が改善を指示
届け出を受けた広島市環境保全課によりますと、流出した薬剤は界面活性剤、洗剤のような性質のもの。すぐに椎原川の水を採取して検査した結果、重金属などは検出されなかったとの話でした。
水質汚濁防止法で河川に汚濁物を流してはいけないと定められていて、同課は①今後河川に流出しないように②場内の漏れた液の回収③川の泡の除去、回収―を指示。さらに防止策を求めたといいます。
「ご迷惑をかけした」と陳謝
田中社長は「2日の午前9時に2人が工場に来られて、初めて川が泡であふれていることに気付きました。毒性はないのですが、地元にご迷惑をおかけしました。再発防止に取り組みます」と陳謝しました。
「公害防止協定書」締結を
親会社の日本鋪道(現・NIPPO)が伴北地区に進出したのは昭和48年。その頃は地元と協定書を交わしていたとのことで、今回の騒ぎを契機に広島舗材と伴学区町内会連合会とで協定書を取り交わすように田中社長に申し入れました。
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